御緩漫玉日記 3巻

御緩漫玉日記 3巻 (Beam comix)

御緩漫玉日記 3巻 (Beam comix)

無理矢理分析するならば, センスさえあればこんなに鬱屈とした内容と絵柄でも「笑い」が生まれる, というところか. 少なくとも日記漫画では桜玉吉の右に出るものはいない, と思っている.
そういえば「しあわせのかたち」末期の段階で既に「そねみ」をやっていたわけで, 結局最初期の「かわいらしいキャラクタ漫画」から「鬱屈とした日記漫画」への変遷は全て「しあわせのかたち」に含まれていると言えるのかもしれない. 一応でもその流れのほぼ全てを観て来た人間としては, ここ数年の異常とも言えるあのスタイルからも必然性のようなものを感じさせられたりするのである*1. 奇を衒ったのでは決してない, この最終巻にも記述があるように, ある意味「本能の赴くままに」描いた結果がこうなのだと思うと, 冗談抜きで深い芸術的な何かを感じるのである.
とうとう漫玉日記シリーズもこの第3巻で終了してしまった. 復活はいつ頃なのだろうか…

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のだめカンタービレ(1) (講談社コミックスキス (368巻))

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ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス)

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しあわせのかたち (1) (Beam comix)

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*1:漫玉日記シリーズに入ってからのそんな必然的暗黒っぷりに, 桜玉吉のことを「心配している」人間がたくさんいるのではないか.