貂の家。

貂の家。 (ビッグコミックススペシャル)

こちらは, 文化的な…つまり人間のような…生活を送っていることを誇りに思う貂の一家の話, と一條裕子作品の中でもかなり異質である. その貂の一家の暮らしぶりがまさに「わさび」のような古き良き日本なあたりや, その一家に巻きおこる平凡でいてしかし印象に残る様々な出来事や, 台詞の素晴らしさは, やはり一條裕子なのだが, 「そもそもの設定がすごく変」というのは珍しい.
もちろん, 珍しいからと言って作品として駄作なわけではもちろんなく, とくに兎の兄妹のくだりだけでも, 読む価値あり.