演技でいいから友達でいて

適当にカテゴライズしているが, これは「対談」である. 他にも小川洋子の対談集やら, ここで紹介した丸谷才一の「ゴシップ…」内の対談やら, 非常に面白い対談を沢山読んだ気がするのだが, 一番面白かったのはこの松尾スズキの対談集. 芝居やTV, 映画など, あらゆる媒体における「劇」に関する日本の第一人者(と言ってよかろう)の演技論は, 演劇など本当の上っ面でしか接したことのない素人にとっては非常に含蓄が多い話である. もちろん, 「芝居を始めよう」などと思っているわけではなく, 一つは観賞する側の心構えのヒント, もう一つは演技・芝居に限らない歴史的知識や哲学, そういったものを豊富に含んでいるように感じたのである(演劇人に限らず, 何の分野においても第一線で活躍する人の話からは得るものが多い, というのは当り前の話か). とくに勘三郎の歌舞伎論は面白かった*1.

あと三冊は, 既にこのサイトで紹介したもの.

フィボナッチのうさぎ―数学探険旅行

フィボナッチのうさぎ―数学探険旅行

http://d.hatena.ne.jp/knaknak/20071107#p1
インストール (河出文庫)

インストール (河出文庫)

http://d.hatena.ne.jp/knaknak/20071002#p1
静かの海

静かの海

http://d.hatena.ne.jp/knaknak/20071014#p1

*1:丸谷才一「ゴシップ…」にも勘三郎との対談が収められているが, こちらは専門的すぎ…歌舞伎をかなり知っていないと会話についていけない…のでイマイチだったのである.