神保町奮闘記

神保町を数日間徘徊して買った本を御紹介. 結局何故か新刊本ばかり買っているのは御愛嬌.

死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

チーム・バチスタ」をとっとと読んでみたいのだが, ベストセラーになればなるほど古本でお安く買いたくなる貧乏性な上に, BOOKOFFあたりでも文庫はまだ見ないので未読である. 先にこっちを新品で買ってしまった.
以前著者自身が出演していたTV番組での発言から考えると, 検死されるべきなのに検死されていない死体・遺体が莫大な数にのぼるため, 犯罪の犠牲になったにも関わらず単なる病死と判断される例が多いと予想される. その最大の理由が, 四半世紀前から行政に根強く残る「医療費は削減すべき」という幻想である, というのが著者の直接の主張である. おそらくこの本もそういった話なのだろう. 非常に興味深い.

その専門性の度合いに依らず, 科学書が求めるべき最大の目標は「解りやすさ」である, と思っている人間としては, 岩波ジュニア新書というのは結構な良書を出してくる注目のシリーズである. 本書は, 電子顕微鏡であらゆる小さなものを見た様子を大量の写真で紹介している. 顕微鏡というのは, なんでもかんでもデカくして見てみたくなる魔力を持っているわけで, そんな当然の本能を手軽に満たす重要な一冊であろう.

偶然の確率

偶然の確率

  • 作者: アミール・D.アクゼル,Amir D. Aczel,高橋早苗
  • 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本
  • クリック: 16回
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アクゼルのエッセイは, 科学的な内容の正確さと解りやすさに加え, 物語として読ませるドラマ性が魅力である. たまたま未読の本書が激安で売っていたので飛びついてみた.

ガストロノミ―美食のための知識と知恵 (文庫クセジュ)

ガストロノミ―美食のための知識と知恵 (文庫クセジュ)

サヴァランの「美味礼賛」は生涯ベスト・テンに入るくらい楽しい本であったが, それはつまり僕の食い意地がはっているという事に他ならない. いずれにせよ, 食文化, とくに, 食材を口に入るまでに異常な手間をかけるフランス料理の哲学は, 一種独特の執着が馬鹿馬鹿しくもあり, かつ, (その味を想像すれば)尊敬に値すると思うのである. (中華料理はそれがより馬鹿馬鹿しい方に偏っていているような気がする, というのは勝手なイメージか.)

料理の誕生 (河出文庫)

料理の誕生 (河出文庫)

上の流れで, 似たようなトピックの新刊が出ていたので一緒に購入. よりお手軽な雑学本, といった感じか.

暮しの眼鏡 (中公文庫)

暮しの眼鏡 (中公文庫)

暮しの手帖」初代編集長によるエッセイ, というだけで俄然期待するしかない. センス良く, しかも鋭い, それでいてトゲトゲしくないまろやかな文章, というのを中身を読みもしないで想像しているわけである. 古本屋などで「暮しの手帖」の大昔のバックナンバなどを立読みしても, 淡々と「正しい」人間の営みを追及するストイックな求道者のような印象をうける. 大切なのは, それが単にファッションを追っているわけではない, という部分だろう.

弥勒の掌 (文春文庫)

弥勒の掌 (文春文庫)

新興宗教がらみのミステリ. 帯の解説を見る限り, 最大級の「ひっかけ」が待っているらしい. 新本格の醍醐味は絶対的に「パズル」であるのだから, 大々的にここにスポットを当てる態度に期待大である.

現代の哲学 (講談社学術文庫)

現代の哲学 (講談社学術文庫)

近代哲学を, 体系的に解説した, 素人向けの, 木田元の本, となれば読んでおいて損はなかろう.

仏教語源の言葉を解説した雑学本. こういうの好きです. 愛染とか阿吽とかは明らかに仏教語源だろうし, 出世とか正念場とかも言われてみれば仏教ぽいが, 端正やら相対やら愚痴も仏教語源なのだなあ, と.

正式なタイトルが「願いがかなう 仏像の見分け方」である. 目的がはっきりしている. 個人的には芸術的, もしくは, 民俗学的な興味でしか仏像を見ていないのでちょっと本書の目的には沿わないのだが, 中身は, 各仏像の形態の意味を解説していたり, 各仏さんの関係についても言及があったりとコンパクトながら百科事典的に使えそうである.